インターネット動画配信サイトでは、簡単に高難度課題の正解ムーブを覗ける現代。クライミングにおける難易度や醍醐味は、形を変えてきていると野村さんは言う。
「情報がネットに溢れているのももちろんですけど、最近はクライミングシューズの進化も凄いから、同じ課題でも昔と今でグレード感が全然違うと思います」
情報過多の時代、テクノロジーがグレードにも影響を与え始めているのだろうか。かつて誰かの引いた課題を再登し、新たなムーブを発見することもある。
「どうせなら楽になるより、もっとダイナミックでかっこいいムーブを見つけて落としたいですね。より自分らしくというか」
ユース時代からずっと登り続けて来た野村さんだが、コロナの影響で初めて、一ヶ月以上クライミングができないという経験をする。
「公園で鉄棒したり、自転車に乗ったり、と、基本的には元気に過ごしていました。でもやっぱり登れないのは相当つらかったですね。」
コロナによる生活様式で、以前より人と話す機会が増えた人が珍しくないようだが、野村さんもそういった一人のようだ。
「改めてじっくり話すと実はみんな結構深いところまで考えてて。特に先輩方からは自分の知らなかった領域の知識や助言を受けたりとても参考になりました」
仲間に刺激を受けた野村さんが今、最も意識しているのは、情報発信のスタイルだ。
「ROKDO の活動や発信が、多くの人に響くプラットフォームになればいいですね。オリジナリティのある表現でクライミングの楽しさを知ってもらいたい。根本にあるのは、大好きな岩をずっと登っていたい。その思いです」
我が道をブレずに行く、オリジナリティ。共鳴する部分がありそうだが、野村さんにとってMONTURA の魅力とはなんだろうか。
「着た人がかっこよく見えるところがあると思います。色や形がスタイリッシュなだけでなく、流行や売れ筋に媚びない独自のスタイルを作るんだと言う精神性が醸し出されているからじゃないでしょうか。負けずに着こなしていきたいですね」