あれだけの練習を積んだのだから、ここでミスをするはずがない
「緊張ですか? 緊張は……してないですねえ」
にこにこと話してくれるのは、プロゴルファーの佐藤大平さん。勝負のかかったグリーンでの一打に際し、どんな心持ちかをたずねると、こちらの意図を汲んだうえで、申し訳なさそうに、けれど決然とこう言った。
「こう打ちたい、というのはあるのですが、他の選手より緊張していないと思います。終わったらなにを食べようかな~、くらいのもので」
意識は、集中することよりも、冷静に周りを見渡すことに注いでいる――そう話す姿に余裕が漂う。精神的な安定は、過酷な練習から生まれた賜物なのだろう。
「あれだけの練習を積んだのだから、ここでミスをするはずがない……そう思っています」
佐藤さんが初めてクラブを握ったのは7歳か8歳の頃。ゴルフ好きの両親の元で育った佐藤さんは、小学6年生で全国大会に出場している。
「小学生のときは水泳に取り組んでおり、ゴルフは遊びでした。水泳のほうで選手に……という話になったとき、ゴルフのほうが楽しいと感じ、決断したんです」
全国大会出場を機にプロを志し、中学3年で全国大会優勝。当時、日本一の強豪である茨城の水城高校へ進学。高校2年から大学4年まではナショナルチームに選出された。大学卒業の翌年である2016年の「関西オープン」でツアーデビュー、昨年は国内レギュラーツアーとPGAツアーシリーズチャイナに参戦し、3月には中国で初優勝。10月の国内ツアー「東海クラシック」では4位となり、初のシード権を獲得。今年9月の「フジサンケイクラシック」で3位タイとなるなど、着実に頭角を現している。
ぼく自身、国内の成績にはそこまでこだわっていないんです……
「シード権を取れてよかったねと喜んでいただくんですが、ぼく自身、国内の成績にはそこまでこだわっていないんです……」
大きな身体を丸めて言う。ナショナルチーム時代に世界の各国で戦った友人たちが、最高峰であるPGA(アメリカプロゴルフ協会)ツアーの舞台で戦っている。佐藤さんの追求するゴルフは、大舞台で彼らとの再会を果たし、そこでしのぎを削るためのものだと、前を向く。
「国内であってももちろん勝ちたいですが、それよりも先を見ていたい。PGAの舞台でいかに納得できるよう打てるか。いまは勝ちたいというよりも、強くなりたいと思っています」
佐藤さんがぶれずに信ずる道を進めるもうひとつの理由は、PGAツアーを戦う先輩の存在が大きいという。
「このくらいやらねばあの舞台に……という姿をつねに目の当たりにさせてもらってるので、本当にありがたいです」指針となるのは、世界の最前線で活躍する松山英樹さん。松山さんは東北福祉大学の2年先輩にあたり、毎年、2週間ほど練習をさせてもらっているが、今年は3ヶ月間にわたって行動を共にしたそう。
「今年は、ようやくアメリカとヨーロッパの予選会への挑戦権を得たところでした。ただ、このご時世でツアーは中止となり……そのおかげではないですが、空いた時間で松山さんと貴重な時間を過ごすことができました。先輩が参加するPGAの試合も生で見ることができ、得がたい経験となるとともに、すばらしい刺激をいただきました」
MONTURAとの出会い
そんな佐藤さんは2019年シーズンから、試合でもトレーニングでも MONTURAのウェアを身につけている。
「大きく腕を振り上げながら身体をひねる――ゴルフの基本となる動作において、どんなウェアでも大なり小なりつっかかりを感じるものなのですが、愛用しているアンダーテンアノラックにはいっさいそれがない……これはすごいことだと思います」
撥水性の高い「スウィングパンツ」は、少々の雨をものともせずそのままプレーを続行できる快適性をもっており、周囲のプロ仲間にも着実に広がっているのだとか。
「余計なストレスがないから、着ていることを感じさせないから、プレーに集中できる。これが本当にありがたいです」