山でのウェアリングは重ね着が基本。こまめな調整を。
登山を始めてまもない人によく見られるのが、寒いのが怖いからと着込みすぎてしまうケースですね。特に冬場。もちろん寒さに備えるのも大切なんですけど、汗をかきすぎないように心がけましょう。ちょっと寒いくらいでスタートしても、15〜20分も歩くと体が温まってくるので、その頃にちょうど良くなるように予測して着るものを考えます。
登山中のウェアの脱ぎ着は、登るのに一所懸命になりすぎるとついつい億劫になってしまうことがあるので、一定時間ごとに確認するくらいの意識を持って。私もグループで登山するときは、率先して小休止するようにします。そうして皆が立ち止まる時間をつくることで、誰かがウェアの調整をできたりするので。
自分の体の声を聞く。
ウェアに限ったことではないのですが、登山中は「わたし、寒くないかな?」「喉が乾いてないかな?」「疲れすぎてないかな?」などと、こまめに自分の体を思いやってあげます。景色を見るために立ち止まったり、休憩がてら何か口に入れたり。そういう余裕を持つことが安全な登山に繋がります。
グループ登山だと、皆のペースが乱れるかもと遠慮してしまいがちですが、それでもこまめに立ち止まってウェアを調整しましょう。歩きながらでも少し暑いなと感じたら、ウェアのジッパーを少し下げるとか袖をまくるとか、ほんの少し対処するだけでも体感は随分違います。
環境の変化を予測して前もって準備できるように。
山では途中で環境の急変もあります。例えば稜線に出ると、風が強くなることが多いです。そうなってから慌ててジャケットをザックから取り出して着ようとすると、場合によっては風で荷物が飛ばされたりもしかねないので、そういった状況になるかもしれないと前もって予測できるようになるといいですね。そろそろ森林限界が近づいているなと気づいたら、あらかじめジャケットを準備するなど先手が打てるようになります。
秋冬の登山ウェアを選ぶ時に注意したいポイントは。
秋冬シーズンのウェア選びですが、春夏よりも「脱ぎ着のしやすさ」を意識するかもしれません。そのためにもあまりごてごてしたディティールがない方が良かったりしますね。特に袖は寒い時期はグローブと干渉することもありますし、逆に寒いときは、まくりやすい方がいいです。
首周りにジッパーがあるものはウェア内の換気をしてくれるので、温度調整がしやすいです。プルオーバー(被り)タイプのウェアは少し脱ぎ着がしづらいので、ベースレイヤーなど山行中には基本的に脱ぐことがないものに適していると思います。これ以上脱ぐことはないというスタイルを決めて、その上に必要に応じて着足して行くイメージです。モンチュラのウェアは重ね着をした時にも動きやすく汗抜けも良いので、素材使いやデザインが本当に良く考えられているなと感心します。