MONTURA

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MONTURA ATHLETE LECTURE
KOBAYASHI CHIHO

インタビュー・撮影/新井 知哉

「今自分には何が必要だろうか?」
こまめに気にして、楽しく安全な登山を

山岳ライター/MOUNTAIN WRITER
小林 千穂

汗をかきつつ、寒さにも気を配りたい秋冬の登山。
快適に楽しむためにはどうしたらいいか、
必要なウェアリングの基本的な知識を、
千穂さんと今一緒に確認しよう。

PROFILE

こばやし ちほ / 山好きの父の影響で子どものころに山登りをはじめ、里山歩きから雪山、海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動している。著者に『DVD 登山ガイド穂高』(山と溪谷社)、『失敗しない山登り』(講談社)などがある。日本山岳ガイド協会認定、登山ガイド。(ブログ:小林千穂の「山でわくわく」

山でのウェアリングは重ね着が基本。こまめな調整を。

登山を始めてまもない人によく見られるのが、寒いのが怖いからと着込みすぎてしまうケースですね。特に冬場。もちろん寒さに備えるのも大切なんですけど、汗をかきすぎないように心がけましょう。ちょっと寒いくらいでスタートしても、15〜20分も歩くと体が温まってくるので、その頃にちょうど良くなるように予測して着るものを考えます。
登山中のウェアの脱ぎ着は、登るのに一所懸命になりすぎるとついつい億劫になってしまうことがあるので、一定時間ごとに確認するくらいの意識を持って。私もグループで登山するときは、率先して小休止するようにします。そうして皆が立ち止まる時間をつくることで、誰かがウェアの調整をできたりするので。

自分の体の声を聞く。

ウェアに限ったことではないのですが、登山中は「わたし、寒くないかな?」「喉が乾いてないかな?」「疲れすぎてないかな?」などと、こまめに自分の体を思いやってあげます。景色を見るために立ち止まったり、休憩がてら何か口に入れたり。そういう余裕を持つことが安全な登山に繋がります。
グループ登山だと、皆のペースが乱れるかもと遠慮してしまいがちですが、それでもこまめに立ち止まってウェアを調整しましょう。歩きながらでも少し暑いなと感じたら、ウェアのジッパーを少し下げるとか袖をまくるとか、ほんの少し対処するだけでも体感は随分違います。

環境の変化を予測して前もって準備できるように。

山では途中で環境の急変もあります。例えば稜線に出ると、風が強くなることが多いです。そうなってから慌ててジャケットをザックから取り出して着ようとすると、場合によっては風で荷物が飛ばされたりもしかねないので、そういった状況になるかもしれないと前もって予測できるようになるといいですね。そろそろ森林限界が近づいているなと気づいたら、あらかじめジャケットを準備するなど先手が打てるようになります。

秋冬の登山ウェアを選ぶ時に注意したいポイントは。

秋冬シーズンのウェア選びですが、春夏よりも「脱ぎ着のしやすさ」を意識するかもしれません。そのためにもあまりごてごてしたディティールがない方が良かったりしますね。特に袖は寒い時期はグローブと干渉することもありますし、逆に寒いときは、まくりやすい方がいいです。
首周りにジッパーがあるものはウェア内の換気をしてくれるので、温度調整がしやすいです。プルオーバー(被り)タイプのウェアは少し脱ぎ着がしづらいので、ベースレイヤーなど山行中には基本的に脱ぐことがないものに適していると思います。これ以上脱ぐことはないというスタイルを決めて、その上に必要に応じて着足して行くイメージです。モンチュラのウェアは重ね着をした時にも動きやすく汗抜けも良いので、素材使いやデザインが本当に良く考えられているなと感心します。

モンチュラのデザイン どんなところが魅力?

モンチュラはしっかりとフィットするウェアが中心なのですが、素材使いやカットの仕方に工夫がされているので、どんな動きをしてもそれを妨げることなく、部分的に厚みを調節してくれているものも多いので、重ね着してもごわつかずに快適です。一見派手に感じるかもしれない独特のカラーリングも特徴で、冬場は雪や枯れ技で景色に色彩がなくなるので、無彩色の世界にモンチュラのデザインがとても映えるのではと思います。

Q. 保温着はダウンがいいの?化繊がいいの?

両者とも性能の良いものが増えてきているので難しいところですが、ダウンを着るのはテントや山小屋などで、本当に防寒に徹したい時ですね。ダウンは基本的に湿気に弱いので、行動中はほとんど着ることはないです。比べて化繊中綿は湿気に強いので、冬場の雪になりきれないみぞれ、みたいな状況にも躊躇せず着れる安心感があります。化繊中綿はメンテナンスのしやすさも魅力ですね。

Q. アンダーウェアはウールがいいの?化繊がいいの?

アンダーウェアの着心地に対する感じ方は個人差によるところが大きいですが、わたしはだんぜんウールが好きです。山では着替えもままならないことが多いので、匂いが残らないのも助かります。でも汗が乾きにくい性質もあるので、それで冷えてしまうことも。冬は速乾性を重要視して化繊のアンダーを使うようにしています。タイツも基本的に同じ考え方ですが、わたしは汗かきなのであまり穿きません。

千穂さんの選んだ秋冬山のコーディネート

無雪期ハイクのスタイル

上着はこまめに脱ぎ着ができて、ベース〜ミッドレイヤーと相性の良いものを選んで

AIR ACTION HYBRID JACKET WOMAN / ¥49,500
THERMIC 3 MAGLIA WOMAN / ¥14,300
TIROLO PANTS WOMAN / ¥27,500

雪山ハイクのスタイル

悪天候に耐えられるフードの しっかりしたタイプを。
ベンチレーションがついていると快適!

ALL MOUNTAIN JACKET WOMAN / ¥63,800
EXCALIBUR PRO -5cm PANTS WOMAN / ¥44,000
COLLAR NORDIC CAP / ¥6,050

皆さまがウェアのお買い物をしているのを見る機会があるのですが、多くの人が少し大きめサイズを選びがちなようです。大きめのものを選びたくなる理由もそれぞれお持ちかとは思うのですが、ウェア本来の動きやすさや機能性を発揮するためには、少し小さいかな?くらいの意識でも大丈夫なので、怖がらずにジャストサイズ を選ぶことが大切です。(小林)